【韓流野球報告2008】頂点を目指すSK首脳陣(2)

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打撃部門を担当するのは伊勢孝夫コーチです。ヤクルト時代、野村監督の下で「ひと目で球種や配球が分かるチャート表を作って欲しい」と言われ、データ分析の鬼となり、その後、幾度もチームの優勝に貢献。その手腕はSKでも発揮されています。

伊勢コーチは「まだ韓国の選手にはID野球の“いろはのい”も伝わってない。せっかく叩き込んだデータを打席に入って忘れてしまっては意味が無い。そしてベンチにいるときも、常に相手投手を観察する眼が必要」と話します。伊勢コーチにとってまだ満足のゆく状況ではないももの、SKの攻めは、相手投手の傾向を素早く見抜き、少ないチャンスをものにする技術に秀でています。アジアシリーズでも西武投手陣を、どう攻略するか見ものです。

伊勢コーチ
試合中もベンチ横で指示をだす、伊勢コーチ

守備担当は福原峰夫コーチ。試合前のグラウンドには、ノックバットを振るう福原コーチの声が響きます。SKは長い時間をかけ、密度の濃い練習をするのが特徴。鍛え上げられた選手たちは、自国リーグで優れた守備力を見せました。しかし福原コーチは「まだ1球に対しての重み、怖さを日本の選手に比べると、わかってないのかもしれない」と語ります。SKナインにとって、2年連続のアジアシリーズという舞台は、それを身をもって感じる最高の教材となりそうです。

福原コーチ
いつ見ても男前の福原コーチ

キム・ソングン監督、そして3人の日本人コーチがいることで、日本では「SKは日本式」と伝えられることがありますが、必ずしもそうとは言えません。その辺は日本人コーチの方々も否定します。「日本のよい部分を注入した韓国式」とでもいいましょうか。う~ん難しいですね。

日本シリーズを制覇した埼玉西武と韓国のSK。この両チームの攻めには似たような点があります。そのひとつが、失敗を恐れない積極的な走塁です。ただこれが、日本らしい攻め方とは言えないでしょう。そもそも、何が日本らしいのか分からなくなってきました。いずれにしても、西武とSKの激突は、面白い戦いになりそうです。

アジアシリーズ開幕までにSKの戦力について記していきたいと思います。

(文・写真/室井昌也)

室井昌也
室井昌也

1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。

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このページは、が2008年11月11日 12:30に書いたブログ記事です。

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