【華流野球報告2007】投手編その1

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さて投手たちです。
エースはなんといっても藩威倫(パン・ウェイルン)。
25歳で代表チームでも常連の、大型右腕ですが、今年は肩の故障で苦しんだ一年でした。球速も本来出すMAX150キロにはほど遠く、夏頃までは133キロくらい。
登板間隔も開けなければならず、先発しては登録抹消、また投げて抹消ということもたびたびありました。
でも成績は16勝2敗。本人も「スピードだけが投球じゃないことを実感した」と言っていましたけど、あの球速、球威じゃ、確かに制球力に心血注ぐしかなかったはず。でも来年、大丈夫かな。五輪予選もエントリーされてますけど、おそらく外れる気がします。今大会は、聞いた話では中日戦らしいです、5日の段階では。普段は無口で、すっごく気のいいヤツですが、投げるときは怖い顔しています。

エースの藩威倫。見かけは強面ですが、笑うとハチミツクマさんです。.JPG
エースの藩威倫。見かけは強面ですが、笑うとハチミツクマさんです。
 
次は助っ人コンビの一人目、ネルソン・フィゲロア、33歳です。

ネルソン・フィゲロア.JPG
ネルソン・フィゲロアです。渋谷のチーマーではありません。

9月半ばに入ってきました。マイナーが8月で終わるため、その後の1ヶ月、“パートタイム”的に台湾にやってくる外国人選手は、例年、珍しくありません。本人がその気なら、チームとしても来季のテストにもなるし。(それでもプレーオフや台湾シリーズに出られちゃう登録システムがすごい)。で、4試合に登板して4勝。球速も140キロ半ばだし、決して目を見張る球種を持っているわけではありませんが、なんとなく抑えてしまう。

彼、メジャーにも少しだけいて通算成績は5年間で7勝17敗、防御率4.65。
成績はたいしたことないですが、投球を見ていると、「ちょっとでもメジャーを経験した投手」っていう雰囲気があります。場慣れしているマウンドさばき。落ち着き。
要は、ツボを押さえたピッチングです。
それで台湾シリーズでは中三日で1,4,7戦と投げすべて勝ち、シリーズのMVPにも輝きました。ボーナスは幾らだっけな。そう言えば、記憶に間違いがなければ31歳の奥さんと6歳くらいの可愛い娘がいたはずです。一緒に台湾に来て、彼が投げる日に限らず、スタンドで応援していました。

考えてみりゃ、家族とはいえ大変ですよね。アメリカだ、メキシコだ、アジアの台湾だ、あっちこっち居を移して暮らしていくのも。あ、忘れてましたが、彼はアメリカ籍です。とまれ、こんなナイスガイには、少しでも長く稼いで、家族を暮らせて欲しいなと思います(大きなお世話ですが)。

(文・写真 木村 公一)

木村公一
木村公一

1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。

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このページは、が2007年11月 7日 11:04に書いたブログ記事です。

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