アジアシリーズ優勝を目標にしてきた今年のSK。今回はキム・ソングン監督と加藤初投手コーチをご紹介します。
昨年からSKの指揮を執り、見事2年連続して頂点に導いたのは、キム・ソングン監督。京都・桂高校を卒業後、韓国の実業団でプレー。1982年に発足したプロ野球で指導者を歴任し、今年9月3日に、史上2人目の監督通算1,000勝を挙げた韓国を代表する名将です。「野球の神」から「野神」と呼ばれるキム・ソングン監督。選手個々への徹底した指導と、細かなデータ分析が特徴です。WBC監督就任の声も上がりましたが、健康面を理由に受諾はしませんでした。
余談ですが、試合以外でもデータ重視か?ゲンを担ぐことでも有名です。先日の韓国シリーズでも、昨年、羽織ったジャンパーを脱がなかったところ優勝したため、今年もそれを守ったり、朝出かける際、自宅マンションのエレベーターで他の住民に会わず、その日の試合に勝利すれば、翌日は極力、ひと気のない時間帯を選んで外出するなど、非常に徹底しているようです。アジアシリーズ終了後、今回はどんな縁起を担いだのか聞いてみようと思います。
キム・ソングン監督
投手コーチを務めるのは、現役時代の「鉄仮面」という愛称で知られる、加藤初投手コーチ。SKはデータに基づく細かな継投をするため、加藤コーチは頻繁にマウンドに上がります。作戦なのでしょうがないですが、相手チームファンからは加藤コーチが登場すると「またぁ~」と言った声が聞こえてきます。
通常、加藤コーチは通訳さんとともにマウンドへ上がりますが、昨年のアジアシリーズではベンチ登録の都合上、日本語が上手い、パク・チョルヨンバッテリーコーチが加藤コーチとともにマウンドに行きました。今回はどういった形になるか分かりませんが、もし加藤コーチの横に、やけに体格がよく、加藤コーチより投手に指示を出す人がいたら、それは通訳さんではなく、パク・チョルヨンでしょう。
加藤初コーチ(写真右)
次回は、伊勢孝夫打撃コーチと福原峰夫守備コーチです。
(文・写真/室井昌也)
室井昌也

1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
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