【華流野球報告2008】台湾シリーズ(かんたん)解説・その3

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(6)11月1日 ●統一0-5兄弟○
(7)11月2日 ○統一4-0兄弟●

さて、3勝2敗で迎えた第6戦。地力に勝る統一が、このまま勝つかに思えました。ところが予想に反し、それも完封負けという結果に。去年のこのブログから書いていますが、統一というチームは本当に予想ができません。期待させれば裏切り、見放せば快進撃を演じる。ま、プロ野球というものが興行(エンタメ)であるとするなら、アジアの中でもこれ以上に楽しませてくれるチームもないと思います。こりゃ今年は兄弟かな。そう思ったら、最終戦、統一が完封勝利を収めました。3回、5回と連打で加点し、あとは先発のハックマンが4安打の完封。展開的には、わりとアッサリした優勝でした。これも結果論は否めませんが、兄弟の力もここまでで尽きていたかなという感じでした。

最終戦完封のハックマン投手です。
最終戦完封のハックマン投手です。

それでも7試合で球場に詰めかけた観衆は9万6825人。これは91年のプロ発足以来、最高の動員数だったそうです。1試合にすると約1万4千人。数字だけ見れば日本とは比較になりません。でも台湾の人口は日本の約五分の一、およそ2300万人の“島都市”です。人口約1億2千万の日本に換算すれば、7試合で48万人! 1試合平均7万8千人という数字になります。とんでもない数字です。あくまで換算です。でも、凄い数字です。

統一の本拠地台南球場の収容人員は1万2千人です。単純に2千人があぶれたか、無理無理に入ってイモ洗い状態になったわけです。

台湾での公式戦の平均的な観客数は1500人から2千人くらいでしょうか。ひどいときは800人くらいの試合もあったと記憶しています。それが7万8千人です!やれば出来るんです!

前述の八百長騒動を蹴散らし、熱ある戦いを見せれば、お客さんはやって来る。そんな思いを改めて感じさせたという意味でも、今季の台湾シリーズは、例年と少し趣の異なるものだったと思います。それだけに、敗れたとはいえ兄弟は殊勲です。台湾シリーズに勝ってアジアシリーズに臨む統一には、兄弟のぶんまで東京ドームで暴れて欲しい……そう思っています。でも統一だからなあ(苦笑)。

お約束のシャワーです。台湾はグランドでやります。ファンも参加気分が味わえます。
お約束のシャワーです。台湾はグランドでやります。ファンも参加気分が味わえます。

(文:木村公一/写真:CPBL提供)

木村公一
木村公一

1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。

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このページは、が2008年11月11日 11:24に書いたブログ記事です。

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