前回に続き、高津臣吾投手について。今回はプレー以外の部分です。
所属するウリヒーローズは、球団名の命名権を取得した企業からのスポンサー料によって運営される、いわば「ネーミングライツ球団」。この韓国初の方式により誕生した新球団でしたが、諸問題によりスポンサー名の「ウリ」が外れることになり、8月26日から名称が「ヒーローズ」のみに。ユニフォームからも「WOORI」の文字が消えるという、混迷の1年でした。
高津投手も「シーズン中にチーム名やユニフォームが変わるなんて、大変なことなんでしょうけど、あまり分かっていないというか、なんというか」と助っ人選手としての、心の置き所の難しさが感じられました。
そんなチームに明るい話題を提供した、コスプレ大好きマスコット、通称・トクトリ
韓国球界の環境面ですが、立派な球場もありますが、ビジターチームのロッカーが整備されていない球場もあり、練習後、満足にシャワーを浴びられない、または着替える場所が確保されていないところも少なくありません。
また、日本と違うのが3連戦終了後、すぐに次の遠征先にバス移動すること。最長距離で約300km。4時間程です。これについて高津投手は「慣れなきゃいけないんですけどね、バスで寝ちゃうとホテル着いてから寝られなくて、寝るのが朝5時過ぎになる」とのこと。日本の場合、公共交通機関を使う翌朝移動ですので、それに慣れちゃうと、韓国の移動は厳しいものがあるかもしれません。一方で、今季東京ヤクルト入りした林昌勇投手は、日本の遠征移動に「朝が辛い」とこぼしていました。
来季の高津投手について球団側は「抑えとして必要な選手」として残留を希望しています。今後、高津投手が最も望む形で、来季もマウンドに立つことを期待したいです。
※高津臣吾投手の今季全登板
http://www.strike-zone.jp/takatsu.html
(文・写真/室井昌也)
室井昌也

1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でも、2006年よりコラムを毎週韓国語で連載している。有限会社ストライク・ゾーン取締役社長。
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