アジアシリーズで来日する統一の面々の紹介はゆっくりさせて貰うとして、最初は台湾でのポストシーズンゲームなどをさらっと紹介したいと思います。
プレーオフは10月17日から、後期優勝のLanew熊と兄弟象の間で行われました。戦前はLanewの勝ち上がりかと見ていましたが、結果は兄弟の3連勝スウィープ。腰やらなにやらあちこちに持病を抱え、シーズンの終盤はベンチを温めていたたLanewの“ミスター台湾”陳金鋒が戦列に戻り、どれだけ活躍できるかがカギでした。が、やはり満足な働きが出来ず得点力はガタ落ち。兄弟の打線と中込伸コーチ率いる(?)投手陣にしてやられた格好となりました。しかし、兄弟というチームの人気、その底力には改めて驚かされましたね。これは台湾シリーズを通しても言えたことですが、チケットの売れ行きがハンパではなかったのです。兄弟は、たとえて言うなら日本の阪神みたいな人気チーム。でもより正確に言うなら「弱かった頃から脱し、強さを取り戻した頃の」という時期の人気です。つまり、負け続け低迷していたから離れていたファンが、にわかにチームが強くなり、戻ってきたという感じです。低迷時期のストレスが喜びを倍加させ、弾けた。そんな感じでしょうか。
プレーオフ対戦の両者
もともと兄弟は、統一とともに、リーグ発足時から残っている老舗チームです。本拠地のある台北は台湾でも最大都市。人口は多いけれど、反面、娯楽も多く、野球を観に行く人々が少なくなっていました。そのため、わざわざ地方での試合数を増やしていた時期もあるのです。そんなフランチャイズの老舗チームが、今季は躍進。前後期の優勝こそなりませんでしたが、勝率でのワイルドカードに残り、プレーオフへ進出したモノだから、余計にファン心理を燃え上がらせたとも言えます。ユニフォームも独特です。チームカラーのイエローそのまんまです。人気絶頂の頃はこの黄色の上着が、企業広告で埋まっていました。まるでF1のウェアのように、です。ビジターは下が黒です。近くに来られると、ちょっと引きます。でもって、前述紹介の中込投手コーチは体重100㎏超(と思われる)の体格です。写真があれば是非、お見せしたかったのですが、生憎、ふさわしいものが手元にありません。申し訳ない。残念です。最高なのに……。でも今季の好結果で、中込コーチも来季は残留でしょう。他人ごとながら、ほっと一息です。
見よ、この勇士
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
木村公一

1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
Please change the name "華流" ,and call Taiwanese baseball "台灣野球" or "台流野球"!! Thanks!!