ベタ負けでしたね、西武戦。結果は1対2でしたが、明らかに力負けでした。西武の岸は本来の力からすれば70%くらいの調子。打てても不思議はないキレのボールもありましたが、初対面での対決では、あそこまでが限界でしょうか。
残念なのは前日に本塁打を放ったリュウ・フウハオと3番に入ったチェン・レンフォンが、それぞれ負傷でスタメンから外れたことです。戦力全部がかかって負けたのなら仕方がないですが、台湾シリーズから調子を上げていた二人を欠けば、まあ精一杯だったでしょう。試合後に呂監督は「打順の組み方も間違った」と述べていました。が、それでも多くは望めなかったと思います。とにかく岸の緩急つけた投球に打ちあぐむばかりでしたから。
好投むなし、のパン・ウェイルン
ただ中国の主審は、あれはなかったですね。潘威倫もよく投げました。5安打2失点ですか。上々です。せめて去年のようなミスの連発、雑で無気力さを感じるプレーがなかっただけでも、ヨシとすべきかも知れません。
でも「仕方がない」だけに、後が深刻だと思います。勿論、監督の采配含め、戦術が伴えば戦い方も結果も変わった可能性がありますが、しかし今の統一にそれを求めるのは酷かと思います。第3日は韓国・SK戦です。西武より打線も振れているし、キッチリした野球をするので、より手強い相手です。
どうするのでしょうね。フツーに統一の攻め方でいくのか、一か八かの奇襲でもかけるのか。戦績は一勝一敗。SKに勝てばまだわからないのですからね。見どころはそうした“姿勢”でしょうか。あと先発が間違いないハックマンがどんなピッチングを見せてくれるか……。
と、書いているうちに裏情報が入ってきました。なんと……。ちょっと今の時点では差し障りもあるので書けません。ごめんなさい。
ただ、SK戦にハックマンの登板がなくなったことだけは書いてもいいかな。
統一、ピンチです。
幻と終わったハックマンの登板
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
木村公一

1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
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