大会が始まりました。統一の初戦は中国・天津でした。結果は……勝ちました。潘武雄の生涯初というサヨナラスリーランで、です。でも、前日のブログでの“予感”が半分的中しました。負けるかも知れない試合でした。9回まで3対4。二死三塁で、代打は新人の郭俊佑。ところがこの子がレフトへの同点打。さすが統一期待の新人でした。
「クロ(郭俊佑のニックネーム)は初めてのドーム、慣れない人工芝ということで、レフトの守備練習でももたつきがあった。それで控えにした。でも明日の西武戦ではスタメンで使います」とは呂文生監督。SKに敗れ、気を引き締めてくるであろう西武に対して、この新人が再びなにかをしでかすことを期待したいです。対西武の先発はエースの潘威倫です。肩の疲労痛で苦しんだ去年、今年ですが、終盤から回復したとのこと。ビシッと四隅に決められれば、そう連打は喰わない(と期待します)。国際大会の常連でもあるし、きっと良い投球をしてくれる(と期待します)。
聞けば、統一も今年はかなりデータを入手しているとのこと。CPBLから派遣されたスタッフが、韓国シリーズまで偵察陣が出向いたそうです。いきあたりばったり風のゲームをしているような統一としては、意外です(慣れないことはして欲しくないけれど)。
でも、打線は本来の動きにほど遠かったですね。まだ眠っている感じでした。デイゲームということもあったでしょうか(台湾では気候ゆえ、ほぼすべてナイターです)。今日はどうでしょう。起きて欲しいものです。第2試合では西武が韓国・SKに敗れました。某実況アナ氏は「SKと統一の決勝もいいね」とも。そうなったら日本球界も目を覚まし、この大会に取り組む姿勢も変わるでしょうか。ならば、観衆がらがらの決勝となっても、意味があるというものです。眠っているのは、統一だけではないのです。
5回、追撃の本塁打を放ったリュウ・フウハオ。細身ですが、バネの利いたスイングがウリです。
(文:木村公一/写真:CPBL提供)
木村公一

1961年東京生まれ。80年代半ばから韓国プロ野球を取材。台湾は90年のプロ発足時からフォロー。アメリカもメジャーリーグからマイナー、独立リーグと野球あるところ歩き回る。著書に『裏方―物言わぬ主役たち プロ野球職人伝説』(角川書店)など。
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