さて、ここまで投手陣はアジアシリーズでの先発が予想される3投手を紹介してきましたが、残すはあと1人です。韓国シリーズでは第2、6戦に登板した、チェ・ビョンヨン。体格を生かした重い直球で打者を詰まらせ、今季は11勝8敗。防御率はリーグ2位の2.84でした。
アジアシリーズでは中国戦に登板か?
彼ら先発陣につなぐのが、SK自慢のリリーフ陣です。60試合以上登板した投手を4人抱えるSK。中でも12年連続50試合以上登板、今季も64試合に登板し、自身が持つ通算最多記録を更新する756試合登板のチョ・ウンチョンと、シドニー五輪、WBCでも代表選出され、北京五輪アジア予選でも代表のチョン・デヒョン、この2枚の右のサイドハンドがセットアッパーとクローザーの役を務めます。
しなるようにスナップを利かせた投球が武器のチョ・ウンチョン
防御率0.92はクローザーの中でリーグトップのチョン・デヒョン
彼らをリードするのがかつての本塁打王で、現在はデータ野球の扇の要を担う、パク・キョンワンです。
打撃陣はシーズン中、ツープラントンシステムを敷き、シーズン中は日替わり打線だったのですが、韓国シリーズではある程度固定されました。外野は国際試合に強く「リトルキューバ」という異名を持つ、パク・ジェホン、チームトップの25盗塁のチョ・ドンファ、21盗塁のパク・ジェサンが並びました。ワールドベースボールクラシックで美技を連発し「国民的右翼手」として韓国国内でも知名度の高いイ・ジンヨンは、チーム事情もあり、控えに回ることが多くなっています。
そんな中、最も固定起用されたのがサードを守る、チェ・ジョン。打点・本塁打はいずれもチーム2位。高卒3年目であどけない表情と線の細さが印象に残る選手ですが、見かけの割りにパンチ力があり、下位打線からの得点源となりました。
今季の最重要強化選手だったチェ・ジョン
昨年、一昨年の出場チーム、サムスンと比べると、スター選手は少ないですが、投打ともにバランスよく選手が揃っています。今年のSKは日本チームから初めての勝利を挙げることができるか?注目していただきたいです。
(文・写真 室井昌也)
室井昌也

1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。今年もアジアシリーズのプロモーションとして11月10日に「韓国プロ野球トークライブ」を実施。
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